チェロと私【学び編】
楽器やスポーツなど、趣味は楽しいだけではなく多くの学びを与えてくれますよね。
今日は私がチェロを続けてきたことにより学んだことをお伝えします。
技術的な意味ではなく、今を生きて行く上での基盤となった考え方です。
できない言い訳をしないで、できる方法を考える
10歳〜15歳の間、毎月3回の個人レッスンに通っていました。
先生はとても厳しかった。
「練習して来ない人に教える事はありません」とレッスン時間の途中で追い出された事もあります。
テスト期間中だからオーケストラを休むとか、部活が忙しいから練習ができていないとか、努力から逃げることは許されませんでした。
「テスト期間が迫ってから勉強するのではなく、計画的に進めていればせっぱつまる事はない。時間がないなら作ればいい。」といつも指導されました。その通りです。
言い訳をすれば許してもらえるわけではない。出来るように努力しないことに対して怒られている。自分がやることをやっていてダメなら怒られないんだ。
苦しくても、言い訳をせず正しい努力をすることが上達への近道。これがまずひとつ目に学んだことです。
自分を思い切り表現することで人が喜んでくれる
最初は楽器を弾くことを習得するのがやっと。1年以上経って初めて、表現するということに意識が向いてきました。
気持ちを込めて弾くことで、相手は感動してくれる。涙を流したり一緒に歌ってくれたり、笑顔になってくれる。歌や芝居と同じ。恥ずかしがらずに、自分の表現したいように演奏することがメッセージとしてダイレクトに、相手の心に届くことになる。
恥ずかしがって電信柱のように棒読みのように弾くのは見ている方も恥ずかしい。
何事もそうですが、本気でやることが一番説得力がある姿勢だと思います。本気で伝える、本気で取り組む。だからこそ良い結果も悪い結果も、素晴らしい経験だと感じられるし、見ている方も応援したくなる。
甲子園野球なんかも、負けたチームへも暖かい拍手が送られますよね。それは、勝った負けたということより、本気で戦ったということが伝わるから。感動が観客にあるからです。
音楽は人に寄り添う
嬉しい時も、悲しい時も、私は弾きます。怒った時も、弾きます。
なぜなら、私の心に寄り添い、気持ちを代弁してくれるから。そうすると楽になる。
落ち込んだ時、頑張りたい時に音楽を聴く人は多い。自分の気持ちにあった曲を聞くことで心のデトックス効果があったり、元気を出したいときに明るい曲をきいて栄養剤のような効果があったりしますよね。
私は自ら音を奏でることで同様かそれ以上の効果を得ていると感じます。
例えば仕事で悔しいことがあってむしゃくしゃしている時「〇〇のばかやろう!!!」と声に出して叫んだりすると、周りはびっくりしちゃいますよね。でも、その気持ちを音にしてしまえば、誰にも驚かれたり咎められたりすることがありません。
ある種ストレス発散になっているということです。
またこんな事もありました。祖父が亡くなったお通夜の夜。皆で遺体と一緒に一晩過ごします。その際に私は棺に向かって、祖父が大好きだったバッハの無伴奏チェロ組曲を弾いたのです。これもまた音楽が人に寄り添う一つの形です。
続けることが何より自分の力になる
私は周りの子に比べチェロを始めるのが遅かったため、自分に自信がなく堂々と弾くことができませんでした。
でも、ある日から、私は目標を立て、そのために人の何倍も練習ました。
すると、ぐんぐん周りを抜いていくではありませんか。毎日淡々と練習し、少しずつ成長する。その積み重ねが大きな成果となった、初めての経験でした。
ローマは一日にして成らず。アリとキリギリス。ウサギとカメ。
まずは1歩踏み出し、そこから継続すること。とにかく継続は力なりという言葉がぴったりでした。
途中で諦めて辞めていたら今の私はいない。上手くいかなくても続けていたからここまで来れたのです。何かを成し遂げたい時は、信じた道をまっすぐ地道に歩み続ける。
この続ける力がついたのは、他ならぬチェロのおかげです。
まとめ
今頑張っていることがうまくいかない、っていう事はたくさんありますよね。
でもそんな時いつも思い浮かぶのは、チェロを死ぬ気で頑張った日々。本気でやったから楽しかった。この経験があるから、私は何があっても、なんとか生きていけるという自信を持っています。
明日もあなたにとって、ほっと!な1日になりますように。
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